外国籍エンジニアについて
外国籍エンジニアは、国内のITエンジニア不足により需要が高まっている人材です。 外国籍エンジニアを採用することで、IT人材の人手不足が解消できるだけでなく、海外進出を目指す企業にとっては、最新情報やトレンドを入手しやすいメリットがあります。
今回は、そんな外国籍エンジニアの現状について解説します。また、外国籍エンジニアを採用するメリットや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
日本で働く外国籍エンジニア(海外エンジニア)の現状
まずは、日本で働いている外国籍エンジニアの数を見ていきましょう。
厚生労働省の「外国人雇用状況のまとめ」の資料によると、2022年10月時点で、専門的技術分野の在留資格を持つ外国人は47万9,949人、産業別の情報通信業に従事する外国人の数は75,954人でした。
エンジニアとしてみると、直近5年間では2018年の5万7,620人から1万8,334人増加しています。 その背景には、国内のITエンジニアの人材不足があげられます。
経済産業省が発表している「IT人材需給に関する調査(概要)(2019年4月発表)」によると、2030年には需要が供給を上回り、約79万人のIT人材が不足するとの調査結果が出ています。
この結果から、昨今のDX推進やデジタル化促進を含めたグローバル市場に対応すべく、多くのIT人材を必要としています。外国籍エンジニアの採用は日本企業の人材不足を解消する突破口になるといえます。
外国籍エンジニア(海外エンジニア)を採用するメリット
次に、外国籍エンジニアを採用するメリットを見ていきましょう。
国内で不足しているITエンジニアが採用できる
前章でも解説しましたが、国内のIT人材の不足は2018年時点ですでに22万人、2030年には79万人という調査結果がでています。海外からのエンジニアにも採用の幅を広げることで、より多くのITエンジニアを採用できるメリットがあります。
グローバル市場にも積極的に参戦できる
グローバルな企業を目指すのであれば、外国籍エンジニアの採用は有利に働く可能性があります。進出を狙っている国の人材であれば、現地の最新情報やトレンド情報をリアルタイムに入手できます。
海外の担当者とも言語の不安がないため、競合他社に比べて優位な状態で海外進出の足がかりができるでしょう。
意欲的で有能なエンジニアを採用できる可能性がある
海外での就労経験を持つ外国籍エンジニアを採用することで、最新の技術に触れている可能性があります。
AIやVR、ブロックチェーンなどの最新情報は、Discordのようなクローズドのコミュニティで盛んに交流されていることも多いです。そのような情報収集に長けたエンジニアがいることで、スピード感のある情報収集ができるでしょう。
社内の活性化やグローバル化が期待できる
外国籍エンジニアを採用することで、社内の活性化にも期待ができます。日本人にはない視点や発想を持っていることがあるため、さまざまなアイデアが生まれ、社内でも議論にも活気が生まれると考えます。
社内全体でも競争意欲やパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。社内でも多言語でコミュニケーションを取ることで、日本人の中にもグローバルな人材を育てることもできるでしょう。
日本で働くメリット ここでは、日本で働くメリットについて解説します。
雇用が安定している
終身雇用が崩壊したといわれていますが、日本の正社員は従業員側に、明らかな違反や違法行為がない限り解雇されることはなく、守られる立場でもあります。雇用が安定しているということは、腰を据えて働きたい外国人にとっては魅力的です。
公的医療保険制度が充実している
日本で就業することで、外国人労働者であっても健康保険に加入できます。保険に加入することで、日本人と同様の医療サービスが受けられます。
高額の治療費が必要な病気やケガをしたとしても、3割負担で診療や治療を受けられるのは大きなメリットといえるでしょう。
治安が安定している
日本は治安のよい国といわれています。法務省が公表している2022年度の犯罪白書(2015年〜2019年)によると、過去5年の日本の殺人発生件数は306〜363件です。
フランスは779〜1012件、アメリカに至っては1万5,883〜1万7,413件と圧倒的です。治安がよい国で働くことは、外国人にとっても重要なことです。
外国籍エンジニアを採用する際の注意点
ここでは、外国籍エンジニアを採用する際の注意点について解説します。
在留資格証明書や就労ビザの確認が必要
外国人が日本で働くためには在留資格や就労ビザの取得が必要です。特に外国籍エンジニアが日本で働くためには「技術・人文知識・国際業務」または「高度専門職1号(口)」のどちらかが必要です。
海外から外国籍エンジニアを採用する場合は、在留資格の取得見込みや要件(法令に違反し刑に処されたことがないか、退去強制されたことがないかなど)を満たしているかを確認しましょう。
また、国内にいる外国籍エンジニアについては在留カードを確認し、在留資格の種類や在留期間の満了日、資格外活動の許可の有無をしっかりと確認するようにしましょう。
さらに、採用予定者のビザが就労ビザでない場合は、在留資格を取得するために変更手続きが必要となります。
価値観や文化の違いを理解する必要がある
働き方に対する価値観や宗教などの文化の違いは国によってさまざまです。日本人は勤勉で長時間働く傾向がありますが、外国人はプライベートを大事にする傾向があり、働き方とプライベートに対する考え方が異なります。
外国人を受け入れるためには、価値観や文化の違いをしっかりと理解し、向き合う姿勢を示さなければいけません。
日本語教育や接遇研修などが別途必要になる場合がある
日本での就業経験が少ない場合は、日本語スキルやビジネスマナーなどの接遇・教育研修が必要になる場合もあるため、日本語学習やビジネスマナーやe-ラーニングなどのオンライン研修を受講してもらうとよいでしょう。
また、受け入れ側の方でもわかりやすく伝えたり、翻訳ツールの使用や英語・母国語などで表記にしたり、伝わりやすいコミュニケーションを取ることも効果的です。
まとめ
国内のITエンジニアは2030年には約70万人が不足すると予想されています。そんな人材不足を解消すると期待される外国籍エンジニアの需要は高まっています。
外国籍エンジニアの採用は、在留資格の確認や、価値観や文化の違いを理解する必要があります。また、必要に応じて、日本語教育や研修を行う必要も出てくるでしょう。しかし、意欲的で有能なエンジニアを採用できれば、海外進出の足がかりにもなります。
これから日本で働こうと考えている外国籍エンジニアの方は、日本は治安がよく雇用も安定しています。公的な医療保険制度も充実しているため、ケガや病気などの不安を心配せずに働けるでしょう。
外国人の転職について
日本と海外では文化や環境などが違うため「日本で転職するのは難しいのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、近年の日本は高齢化による人手不足の問題など、外国籍の方でも働きやすい環境になってきています。
この記事では、日本に転職する際の流れや成功するためのポイントなどを紹介します。外国人ITエンジニアの方が、日本で活躍できる理由についてもまとめましたので、参考にしてください。
外国人が日本で転職活動を行うときに注意すること
外国人の方が日本で転職する場合、日本の転職活動の流れを知ることが大切です。準備をきちんとしておくことで、何が必要なのかがわかるため、日本での転職活動を円滑に進めることができます。
ここでは、日本に転職するときの流れや注意することについて説明します。
自己分析と情報収集
日本での転職活動は、まず情報を集めるところからスタートします。応募する前に、自分が希望している職種や、企業の情報を集めておきましょう。事前に情報収集することで、転職活動をスムーズに進められます。
また、自分の理想的な将来の姿を描き、転職の目的をはっきりさせておくといいでしょう。自己分析をし、自分にどんな仕事が合っているのかを知ることも、転職を成功させるポイントです。
性格診断や適職診断などを利用すると自分の個性を知ることができるので、ぜひやってみましょう。
転職活動期間
転職活動に必要な期間は、平均で3~6か月です。現在働いている方は仕事をしながらの転職活動になるため、転職活動をスタートする時期は、ある程度の予定を自分で立てておく必要があります。
応募から内定をもらうまで、早くても1か月ほどです。また、すぐに決まらない場合や、役職が上になると内定までの期間がさらに伸びることもあります。入社したいタイミングをよく考え、あらかじめ転職活動のスケジュールを組んでおくことが大切です。
終身雇用と年功序列
日本企業には、会社が労働者を入社から定年まで雇い続ける終身雇用制度と、勤続年数や年齢などを重視し、組織の中で役職や賃金などを決める年功序列制度があります。
しかし近年の日本では、経済の低迷の影響により、終身雇用制度の導入を見直す企業が増えてきています。そのため、同じ企業に勤め続けるのではなく、転職する人も珍しくなくなってきました。
転職する人が増えた日本ですが、まだまだ終身雇用や年功序列にこだわる人や企業は存在します。能力を重視する海外とは違うため、外国人の方は理解が難しいですが、このような制度があることは頭に入れておきましょう。
転職への悪いイメージ
前述のとおり、終身雇用制度が根強い日本の企業では転職が一般的ではなかったので、ネガティブな考え方を持っている人も少なからずいます。キャリアアップを目的とする転職に理解がない人もいるので、転職を何度も繰り返すとマイナスイメージとなってしまいます。
転職する理由を明確に、しっかりと伝えられるようにしておけば、面接でもポジティブに受け止めてもらえるようになるでしょう。
外国人であることの強み
近年の日本では、外資系企業が増えたり、インバウンドにより日本を訪れる外国人も増加しています。そのため、外国語を話せる人材が求められています。
海外の顧客への営業やミーティングなど、日本企業の仕事でも外国語が必要な場面が多々あるので、語学スキルの高い外国人は日本企業にとって必要な人材です。外国人を雇うことによりグローバルなアイデアも出やすくなります。
また、日本語が話せることは強みになるため、読み書きや会話ができることも大切です。日本人の社員とのコミュニケーションが円滑にできるため、日本語はある程度取得しておくといいでしょう。日本語能力試験など、資格を取得していくこともおすすめです。
外国籍ITエンジニアが日本で活躍できる理由
近年の日本では、少子化の影響やIT教育の遅れ、日本人のIT離れなどにより、ITエンジニアが不足しています。そのため、外国人のITエンジニアを採用している企業が増えています。
ここからは、外国籍ITエンジニアが日本で活躍できる理由について解説します。日本企業が外国人を受け入れる環境を整え始めた今、外国籍ITエンジニアにとって働きやすい企業が増えています。ぜひ仕事探しの参考にしてください。
ITエンジニアの需要が高い
近年の日本ではITエンジニアが不足しているため、需要が高まってきています。経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」で、2030年には最大で79万人のIT人材が不足するといわれています。
日本はIT化やデジタル化が進んでいますが、日本のIT教育の遅れや、少子化の影響、日本人のIT離れなどが原因となり、ITエンジニアの需要と供給のバランスが崩れています。また、日本ではITエンジニアの年収が低く、なりたい職業ではないという現実があります。
これらの原因により、日本人のITエンジニアは不足しています。そのため、外国籍ITエンジニアの需要が高まっているのです。
外国籍ITエンジニアを受け入れやすい
ITエンジニアの不足により、外国籍ITエンジニアを採用する動きが出てきています。社内の公用語を英語にし、外国人が働きやすい環境を作っている企業もあります。外国籍ITエンジニアを採用する企業が増えており、2008年から2013年の間に外国籍ITエンジニアは56%増加しています。
法務省入国管理局では「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の制度」を設け、さまざまな分野での外国籍人材を受け入れる環境を作っています。
国をあげて外国人労働者を受け入れているので、日本でITエンジニアとして働きたい外国人の方にとっては、まさに狙い目といえるでしょう。
日本語が苦手でもOK
日本人エンジニア不足に苦しむIT企業では、外国籍のITエンジニアを積極採用しているところが多くあります。外国籍ITエンジニアがたくさん在籍している企業の中には、日本語が苦手でも問題ないとしているところもあります。
流暢な日本語が話せなくてもいいですが、日常会話ができるぐらいの日本語力があると安心です。日本人の社員とコミュニケーションが取れるぐらいの日本語を話せると、自身も働きやすく長く続けられる要因となるでしょう。
努力次第で活躍できる
ITエンジニアは、国籍、性別、年齢などに関係なく、持っている能力を発揮して働ける職業といわれています。
日本の企業には、長期就業を目的とした手厚い従業員教育を行っているところもあります。作業工程などのマニュアルも完備され、OJT(上司が部下に実際の仕事を通じて指導し、知識や技術を習得させる教育方法)も受けられます。そのため、経験がなくても努力することで活躍することは充分可能です。
将来性が高い
日本でもデジタル化が進んでおり、Web業界の発展も著しい今、さまざまな業界でIT技術の需要が高くなっています。IT技術は日々進歩し続けており、今後も成長が期待されています。そのため、ITエンジニアは将来性が高い仕事といえます。
また、IT業界はほかの業種よりも外国人の採用に積極的なため、外国籍ITエンジニアの方は積極的にチャレンジしていきましょう。
まとめ
日本は少子高齢化により、人手が足りない状態が続いています。インバウンドによりたくさんの外国人が日本を訪れるなど、グローバル化も進んでいます。
そんな中、外国人であることは強みであり、日本でスキルを発揮してほしいと考える企業が増えています。また、ITエンジニアは、インターネットが普及するにつれ、需要が高まっている職業です。
日本での転職活動のポイントなどを理解し、転職活動を円滑にすすめましょう。キャリアやスキルを活かした転職先がきっとみつかるでしょう。
転職エージェントについて
転職エージェントとは?

転職先を探す方法としていくつかの方法がありますが、なかでも転職や就職といえば「ハローワーク」や「求人サイト」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ここではまずこれらと転職エージェントの違いについてご紹介しながら、転職エージェントがどのようなものであるかを解説していきます。
ハローワークとの違い
ハローワークは厚生労働省が全国に設置されている公的な就職支援期間であり、正式名称は「公共職業安定所」です。仕事の紹介をしてくれるという点では転職エージェントと同じですが、ハローワークはそれ以外にも失業者の保証や職業訓練といった業務も行っています。
転職エージェントは大手企業から専門的な職業など、転職エージェントごとに扱っている職種や業種をこだわっていることも多く非公開求人なども多数扱っています。一方でハローワークは地域密着型企業の求人や中小企業の求人が多く、その地域で就職したい方などに向いているでしょう。
また転職エージェントでは求人票に記載されている内容以外に、キャリアアドバイザーが企業の雰囲気や働き方の特徴などについて細かく教えてくれます。そのため転職後のミスマッチを防ぎやすく、より自分に合う職場を見つけられるでしょう。
ハローワークでは基本的に転職先の情報が求人票に書かれている内容のみとなっており、実際に働いてみないと職場の雰囲気などはわからないことも珍しくありません。ハローワークは一般的に企業に対するヒアリングを行っていないので、求人票以上の情報を持っていないのです。
求人サイトとの違い
求人サイトで転職活動を行う場合は、自分で求人探しからスタートし、応募の手続きをしたり面接日程の調整をしたり、また合格後の条件交渉などもすべて自分で行うという特徴があります。このようなことから、企業の担当者と直接やり取りをしながら転職活動を進めていくのが求人サイトだといえます。
一方で転職エージェントは、基本的に企業とのやり取りはすべて転職エージェントのコンサルタントやキャリアアドバイザーが代行してくれます。仕事探しの段階から伝えておいた希望に合う仕事を紹介してくれ、応募の手続きや面接日の調整、面接のサポート、条件交渉といったすべてのステップにおいて転職エージェントが対応してくれます。
求人サイトを活用するとマイペースで仕事探しができるというメリットはありますが、働きながら転職活動をしている方には負担になってしまうことがあります。また転職エージェントの方が応募先企業の詳しい情報を教えてくれるので、効率よく求人探しができ転職の負担を減らしてくれるでしょう。
転職エージェントを利用するのに料金はかかる?
求人の紹介から条件交渉まであらゆるサポートをしてくれる転職エージェントですが、じつはすべて無料で利用できるという魅力があります。なぜ無料で利用できるのかというと、転職エージェントは求職者を企業に紹介し、その求職者が就職した場合に成功報酬や紹介料として費用を受け取っています。
その費用が転職エージェントの運営費にあてられるので、求職者に対して請求することはありません。成功報酬は一般的に年収の30%~35%程度が相場とされています。
当然転職エージェントは企業に求職者の紹介をしなければ運営ができなくなってしまうので、転職がより早くできるようサポートに力を入れてくれるのです。もちろん就職後に転職先からその分の費用を請求されるなどの心配もないので、料金面での不安を感じる必要はありません。
こんな方には転職エージェントがおすすめ!
さまざまな転職活動の方法があるなかで、転職エージェントをおすすめしたいのは「客観的なアドバイスが欲しい方」「初めての転職活動で不安な方」「現職が忙しく転職活動の時間が取りにくい方」などです。
転職エージェントには登録する際にこれまでの経歴やスキルなどを申告し、転職先に求める条件も伝えておきます。そしてその情報から求職者に最適な職場を提案してくれたり、転職を成功させるためのアドバイスをしてくれたりするので、自分では検討しなかった企業や職種との出会いもあるかもしれません。
また転職エージェントでは求人探しから転職まですべての場面でサポートをしてくれるので、初めて転職をする方で何から始めればいいかわからない方や、転職に不安がある方の支えにもなってくれます。不明点や疑問点はいつでも答えてもらえるので、安心しながら転職活動を進めていくことができるでしょう。
そして現在働きながら転職活動をする方も多いはずです。その場合仕事が忙しく転職活動のための時間を作れなかったり、満足に求人探しができなかったりする方もいるでしょう。転職エージェントならさまざまな手続きや就職先企業とのやり取りをすべて代行してくれるので、忙しい方でも効率よく転職活動ができるのです。
外国籍ITエンジニアが転職エージェントを利用するメリット・デメリット

日本で活躍する外国籍ITエンジニアの数は増えていますが、その方たちが転職エージェントを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではメリットのほかに、事前に知っておきたいデメリットについてもご紹介するのでぜひ転職活動をスタートさせる前にチェックしてみてください。
メリット
まずは外国籍ITエンジニアの転職に強い転職エージェントを利用するメリットや、一般的に転職エージェントを利用することで得られるメリットについてご紹介します。
外国人採用に積極的な企業の紹介やアドバイスをしてくれる
外国籍ITエンジニアの転職サポートを得意としている転職エージェントの場合、取り扱っている求人は外国人採用に積極的な企業のものばかりです。すでに外国籍の方が働いており環境が整っている企業なども多く、安心して求人紹介をしてもらうことができます。
またこのような転職エージェントでは多くの外国籍の方の転職をサポートしてきた経験があるので、日本で職探しをする際に困ることや選考に通過するコツなどを熟知しています。そこから最適なアドバイスをしてもらえるので、日本で始めて就職をする方でも不安を感じにくいでしょう。
母国語対応が可能
外国籍ITエンジニアの転職をサポートしている転職エージェントの場合、母国語や英語での対応が可能なスタッフが在籍しているケースが多いです。日本語で希望や考えをうまく伝えられないために転職がスムーズに進まないなどのトラブルを防ぐことができます。
就労ビザ取得のサポートも受けられる
就職が決まった後の就労ビザの手続きのサポートをしてもらえるのも、外国籍ITエンジニア転職エージェントを利用するメリットです。社会保険労務士事務所と提携しているエージェントも多いので、手続きが煩雑なビザ申請をスムーズに進めることができるでしょう。
企業の詳細を教えてもらえる
外国籍向けの転職エージェントに限らず、転職エージェントでは紹介する企業の詳細な情報を教えてくれます。働く環境や人間関係、会社の雰囲気などの細かな情報も事前に知ることができるので、転職後のミスマッチを防げます。
履歴書などの添削や企業との調整も任せられる
転職エージェントでは応募先企業に提出する履歴書や職務経歴書の添削をしたり、面接対策を行ったりと選考に通過するためのさまざまなサポートを受けられます。さらに面接日程の調整を企業と行ってくれたり、採用が決まった後の条件交渉なども代行してくれるので、とくに自分では伝えにくい条件面なども遠慮なく伝えることができ、納得した状態で転職することができるのです。
デメリット
このように多くのメリットがある外国籍ITエンジニア転職エージェントですが、デメリットに感じてしまう点もあります。そのひとつが取扱い求人の数が少ないということです。
最近では外国人の採用を積極的に進めている企業も増えてはいますが、そのなかでも外国籍ITエンジニア転職エージェントを利用している企業はごくわずかです。ほとんどの企業は外国籍の方を採用する場合も通常の転職サイトや転職エージェントを利用するので、外国籍ITエンジニア転職エージェントには掲載されていない求人情報もたくさんあります。求人の幅を広げるためには、一般的な転職エージェントにも登録しておくといいかもしれません。
そして外国籍ITエンジニアの転職エージェントは、求人を出している多くの企業が中小規模であり対応できるコンサルタントも少数です。エージェントのなかにはニーズに対して十分なサポートを用意できていない企業もあるので転職エージェント選びは慎重に行うことが大切です。
転職エージェントに相談するときに注意すべきポイントとは?

外国籍ITエンジニア転職エージェントに限らず、転職エージェントに相談する際にはいくつか注意したいポイントがあります。これを抑えておかないと思ったような就職活動ができなかったり、希望する企業への就職が難しくなってしまうことがあるのでチェックしておきましょう。
正直に本音で話す
転職エージェントでは求職者に対して行うヒアリングで確認した内容をもとに、キャリアアドバイザーやコンサルタントが最適な求人を紹介してくれます。そのため転職を希望する業界や現在の仕事を退職する理由、希望するキャリアプランや転職先の条件などをできるだけ正直に話しておく必要があります。
嘘や偽りの内容を伝えたり、遠慮して伝えなかったことがあったりすると、本当に最適な求人を紹介できなくなってしまう可能性があるからです。とくに以前の職場でのトラブルや不満はマイナスイメージになってしまうと考えがちですが、転職先を吟味すればそれらの問題が解決できる可能性も高いです。
転職した先でも同じ問題を繰り返し抱えてしまっては意味がないので、なぜ転職をしたいのか、どのような職場で働きたいのかなどできるだけ正直に本音で話しましょう。
転職希望は具体的に伝える
より効率的に最適な求人を紹介してもらうためには、転職希望を具体的に伝えることも大切です。たとえば転職したい理由なら「給与を上げたい」「人間関係がいい場所で働きたい」「残業をなくしたい」などです。
また転職先に求めていることもはっきりと伝えましょう。たとえば「やりがいのある仕事がしたい」「職場の仲のよさを重視したい」「通いやすい場所で働きたい」などです。転職先の条件はとくにはっきりさせておかないと、ミスマッチに繋がってしまう可能性もあるので注意しましょう。
そして転職の時期についても明確にしておくと転職エージェントも仕事を紹介しやすくなります。すぐに転職できるのか、現在の職場の退職時期はいつなのかなどを正しく伝えておき、希望の時期に転職できるような職場を紹介してもらいましょう。
好印象を心がける
転職エージェントのスタッフはプロなので基本的に誰にでも同じようなクオリティで対応してくれますが、同じ人間であるため感情に左右されてしまうこともあります。こちらが誠意をもって対応すればそれに応えようとしてくれますし、こちらの態度が悪ければサポートしたいという気持ちになってもらえない可能性もあります。
無理にスタッフのご機嫌取りをする必要はありませんが、選考に落ちたときに転職エージェントのせいにしたりやる気のない態度を見せたりすると、どんどん印象が悪くなってしまうかもしれません。転職エージェントを利用して転職するのは自分なのですから、自分にとって不利になってしまう行動には気をつけて、サポートしたいと思ってもらえるような態度を心がけましょう。
「転職エージェントを利用するとしたらどんな点を重視しますか?」WEBアンケートで調査!
転職を考えているのであれば、転職エージェントを利用するのは非常におすすめです。ひとりでは難しいような企業へも転職できる可能性が出てくるので、ぜひとも活用しましょう。
しかし、転職エージェントを利用するにあたってどういった部分を重視すればよいのか分からない人もいるかもしれません。そこで、当サイトではアンケートで調査を行ったので、転職エージェント選びをするときに参考にしてみてください。
「転職エージェントを利用するとしたらどんな点を重視しますか?」という質問をしたところ、結果は以下のようになりました。

第1位は「サポート内容」で42%でした。転職エージェントを選ぶなら、やはりサポートの内容は一番に確認しなければなりません。徹底したサポートを行っているエージェントなら、それだけ苦労することなく転職を成功させられます。
第2位は「キャリアアドバイザーとの相性」で28%でした。キャリアアドバイザーも人なので、どうしても相性の良し悪しはあるものです。事前の問い合わせなどで、できればアドバイザーとの相性を確認するようにしておきましょう。
第3位は「専門特化型エージェント」で19%でした。エージェントによっては外国籍特化やエンジニア特化など、何かに特化している場合もあります。もし特定の職種などに絞って転職活動をしていきたいなら、そういったエージェントを選ぶのもおすすめです。
第4位は「プライバシーマーク」で11%でした。個人情報を適切に扱っていることが認められている事業者はプライバシーマークを取得しているものなので、きちんと取得しているかどうかも確認しておくと安心です。
アンケートの結果は以上です。次の見出しでは、外国籍エンジニア向けの転職エージェントの選び方を紹介していきます。
外国籍エンジニア向けの転職エージェントの選び方

外国籍ITエンジニア向けの転職エージェントは近年徐々に増えつつありますが、そのなかでもより満足できるサポートを受けるためには転職エージェントを慎重に吟味することが大切です。ここでは外国籍ITエンジニア向けの転職エージェント選びでチェックしたいポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしながら最適な転職エージェントを見つけてください。
就労ビザ取得のサポートがあるか
外国人が日本で働くためには就労ビザを取得する必要がありますが、その手続は煩雑でありさらに慣れない日本のルールや手続き方法があるため、外国籍の方が1人で手続きを行うには限界があります。だからこそ就労ビザの取得サポートがあり、さらに取得実績が豊富な外国籍ITエンジニア転職エージェントを利用しましょう。
扱っているすべての求人に対して就労ビザ取得サポートがあれば、どのような求人でも不安なく応募することができます。またすでに就職のための在留資格を取得している場合でも、新たな業界に転職したりこれまでにない業務を行ったりする場合は注意が必要です。在留資格に含まれている活動の範囲から外れる職務を行った場合に不法就労と判断される可能性もあるからです。
そのため転職エージェントを選ぶ際には、就労ビザの取得や変更の手続きなどに詳しく、不安なく働き始められるような対応をしているかどうかをしっかりと確認しましょう。
転職エージェントが英語、または自分の母国語に対応しているか
外国籍の方が転職をする際に不安を感じやすいのが、自分の思ったことや希望などをきちんと日本語で伝えられるかどうかという点ではないでしょうか。日本語対応のみの転職エージェントを利用してしまうと、本当に言いたいことが伝わらず最適な求人を紹介してもらうことができなかったり、適切なアドバイスを受けられなかったりする可能性が高いです。
そのため転職エージェント選びの際には、英語対応が可能、もしくは自分の母国語に対応可能かどうかをチェックしてみましょう。最近では、英語だけでなく中国語やベトナム語、ヒンディー語といったさまざまな言語に対応できるスタッフが在籍している転職エージェントも増えています。
こういったスタッフがいれば転職で困っていることがある場合や、転職後にトラブルなどが置きたい場合でも相談しやすいので、日本で働くこと自体に不安を感じにくくなるはずです。
IT業界に精通しているか
外国籍向けの転職エージェントは複数ありますが、扱っている求人の内容は転職エージェントごとに異なります。幅広い職種を扱っているところもあれば、特定の業種や職種に特化して求人を紹介しているところもあります。
IT業界へ転職したいと決まっているのであれば、外国籍の方のIT求人を専門的に扱っている転職エージェントを利用するのがおすすめです。特定の業界に精通している転職エージェントは、対応しているキャリアアドバイザーもその業界に対する豊富な知識や転職サポートの経験を持っています。
そしてその知識や経験があるからこそできるアドバイスは多く、より外国籍の方の転職を有利に進めてくれるでしょう。IT業界への転職をスムーズに行うためにも、ぜひ業界に精通している転職エージェントを選んでください。
日本語の面接対策をサポートしてくれるか
外国籍の方の採用を積極的に行っている企業であっても、働く際には日本語でやり取りするケースが多く、また面接から日本語でおこなうことが多いです。もし日本語力に不安を感じているのなら、日本語の学習や日本語での面接対策をサポートしてくれる転職エージェントを利用しましょう。
海外と日本では面接で聞かれる内容や面接の方法なども異なるため、日本のルールを知らないと面接がうまくいかないかもしれません。そのせいで転職をうまく進められなくなってしまうことがないよう、日本語で滞りなく面接できるようにしておきたいものです。
また転職後も日本語に不安を感じている場合は、入社後にも日本語学習のサービスを受けられるような転職エージェントなら安心です。それらを上手に活用しながら日本語のスキルアップを行い、日本で不便なく働けるようにしましょう。
転職エージェントを賢く活用して理想の転職先を見つけよう!
外国籍の方の転職には日本人の転職とはまた違う苦労があったり、不安を感じる場面が多かったりするはずです。だからこそ外国籍ITエンジニア向けの転職エージェントを活用して、十分なサポートを受けながら効率的にそして不安なく転職を進められるようにしましょう。
外国籍向けの転職エージェントは数多くありますが、転職したい業界が決まっているのなら、業界に特化しており、英語や母国語にも対応している安心感のある転職エージェントを選びましょう。そして今よりも良い条件で働ける職場を探して、仕事への不満や負担を減らしてください。